井上尚弥のWBC、WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチを有明アリーナで観戦した。
本当に凄いモノを見た。想像を遥かに超えていった。この試合を生観戦できたことを一生忘れないと思う。感無量だ。
2022年12月13日にポール・バトラー(英国)と戦い、世界バンタム級 4団体王座を統一*し、今回 1つ階級を上げ、スーパーバンタム級の王座(しかも2団体)、そして 階級でNo.1の呼び声高い相手といきなり戦うという型破り/異次元の挑戦だった。
*史上9人目、日本およびアジア人で初、バンタム級で世界初、4団体全KO奪取という世界初の快挙だった。バンタム級で3階級を制覇したことになる。
相手は、9年間無敗(プロ戦績 21勝(8KO)無敗)、かつ、WBC&WBO 2団体の統一王者であるスティーブン・フルトン。戦前から、井上尚弥が勝つとは言われていたものの、フルトンを相手に苦戦するのではないか、どうやって倒す/勝つのか想像もつかない、もしかしたら判定でポイントアウトされるのでは…という声もあった。これまでは「負けるかも」とか「判定までいくかも」「ポイント取られるかも」といった声があがることは殆どなかった。それくらいフルトンは最強として認知されていた。
フルトンは、「打たせずに打つ」アウトボクシングスタイルで、(スーパーバンタム級では)身体が大きく、的確で鋭いジャブ、類まれなスピード、バックステップ等のフットワーク、柔軟なボディコントロール、射程圏内に留まらない距離感、クリンチワーク、相手に適応するリングIQ、インファイトもできる等、パワー以外の全てを兼ね備えており、これまで無敗(さらに、過去無敗の相手と9回対戦し全て勝利してきた)という申し分ない実績もある。
自分としては、フルマークで井上尚弥という評価だけれども、フルトンは本当に素晴らしい過去最強のボクサーだった。
試合が終わった8Rまで、クリーンヒットはほぼほぼなく、素晴らしいディフェンスだった。
全ての局面において、上をいったのが井上尚弥だった。異次元すぎる。
蓋を開けてみれば、圧勝だった。フルトンが相手だったからこそ、井上尚弥の輝きが増した。
ゲームコントロールの次元が違う。「こうアクションしたら、(相手が)こう反応するだろう」を掌握する。倒した右ストレートは、8Rに左ボディジャブを2度打ち、ガードが顔からボディに寄るを確認し、狙い澄ました右ストレートを打ち込んでいる。餌を撒き、自分の思い通りにゲームをつくる能力に長けている。
フルトン相手に、1-2Rで、距離感を見切り、ジャブを殆ど貰わない。1Rから本当に驚いた。フルトンは、判定勝ちが多く、距離感を掌握し、自分だけ当ててポイントを獲るという戦いに優れている。その相手にこれか…と本当に度肝を抜かれた。底が知れないその姿に鳥肌が立った。
多彩なパンチ。上下の打ち分け。
デビュー当時からスーパーバンタム級を主戦場にしており、井上尚弥より体が大きい。戦績は、21勝(8KO)無敗。
会見
グローブ
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